フェヌグリーク種皮粉末「エアーグリーン」

フェヌグリーク種子を種皮と胚乳に分離して得られた種皮を粉砕して粉体にしたものがフェヌグリーク種皮粉末「エアーグリーン」です。種皮と胚乳の組成は、まったく異なっており、胚乳がガラクトマンナンと言う多糖類から出来ているのに対して、種皮は、主としてカレーの香料として使われる芳香成分と、フェヌグリークサポニン、フェヌグリークタンパク、そしてセルロース、ヘミセルロース、リグニンと言った繊維質をから出来ています。

カレー粉には、フェヌグリーク種子がカレーの香りを付ける目的で入れられていますが、カレーの風味を付ける目的ならこの種皮粉末を加えるだけでカレーの香りがある食べ物を作ることが出来ます。しかし、種皮には、苦みがありますので、加える量を調節する必要があります。

欧米では、フェヌグリーク種子を加工したものを健康食品として販売しております。その目的は、ダイエットではなく、フェヌグリーク種皮に含まれるフェヌグリークサポニンを摂取する目的です。フェヌグリークサポニンは、ステロイド型のサポニンで、その中でも最も多く含まれるジオスゲニンは、女性ホルモン(黄体ホルモン)の前駆物質で体内でプロゲステロンに変わります。又、プロゲステロンは、経口避妊薬(ピル)として使われており、ジオスゲニンは、プロゲステロンの製造原料として利用されています。その為、フェヌグリーク種子の健康食品は、バストアップや母乳の出を良くする目的や更年期障害の予防の為に飲まれています。中近東やインドでは、母乳の出を良くするために出産した女性にフェヌグリークを食べさせる習慣が古くからあります。治療薬としてのプロゲステロンは、月経障害や流産予防に1日10-50mg注射されています。

しかし、フェヌグリークサポニンがどれくらい体内でプロゲステロンに変わるかは判っておりません。今で長く食用されてきて、フェヌグリークを食べて女性化したと言うことを聞いたことがありませんので、そんなに多く変換されるとは考えられません。1日に数グラムぐらいの種皮粉末を取ることで徐々に体の変化が期待できるのではないでしょうか。

フェヌグリーク種皮粉末「エアーグリーン」の規格

試験項目 規格値
性状 褐色の粉末で、特異臭を有し、味は苦い
確認試験
サポニン Rf値が0.45-0.50で赤紫色のスポットを示す
純度試験
(1)重金属 20ppm以下
(2)ヒ素 2ppm以下
粒度 100メッシュ(150μm)以下
乾燥減量 10%以下
栄養物試験
(1)タンパク質 20%以上
(2)でんぷん 検出しない
(3)脂肪 10%以下
(4)食物繊維 60%以上
残留農薬
(1)デンドリン及び
ディルドリン
(アルドリンを含む)
検出しない
(2)BHC 0.2ppm以下
(3)DDT 0.2ppm以下
微生物試験
(1)一般生菌 実測値*
(2)大腸菌 検出せず

*通常、滅菌処理とは、商品に含まれる細菌を熱などにより滅菌して、滅菌後密封してい菌の進入を防ぎ、又は防腐剤を加えて菌の増殖を押さえることで、商品の腐敗を防ぐために行います。

フェヌグリークを含む豆類には、お互いに栄養分を分け合う形で、非常に多くの細菌が共生しております。豆を採取した後も細菌は、活動せず制止した状態で豆の中で生きています。細菌がいるからと言って豆が腐ることはありません。ですから、フェヌグリーク製品を滅菌しなで出荷しても何ら品質に変化はありません。

しかし、一方で、食品原料中の細菌数を少なくする要望があることも事実です。それで、弊社は、フェヌグリーク種皮粉末には、120℃1時間の加熱滅菌処理を行っており、サンプルの一般生菌数が3x103以下の場合、合格として包装処理を行っております。規格の一般生菌の項が、実測値となっているのは、滅菌したサンプルを採取して、測定したときの細菌の数です。

なぜ実測値を記載して、規格値を設定しないかと言いますと、サンプルの採取場所により菌数のバラツキが大きいからです。ある場所では、3000以下であるのに、別の場所では、10000以上になることがあります。それだけ、フェヌグリークの菌の分布が均一でないことを示しています。多くの菌数が出る他の原因は、包装が簡易包装なので、保存中に菌が進入してくる場合も考えられます。この様な事情から規格値を設定して、それ以下の菌数を保証することが困難なため実測値を表示しています。

トップページに戻る
天然物原料ページに戻る